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【  2013年01月  】 

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第二部 第三十八章 治美との再会

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.21 (Mon)

  時は少し遡る。 新目黒通りの往来の中、三人の人物を乗せた一台の車が走っている。ハンドルを握っているのは伊勢谷公博、後部座席には丸山七海と三浦賢治の二人が座っていた。戸田治美の勤める東京都児童相談センターに向かっているところである。 東京都児童相談センターは新宿区にあるが、最寄りの駅はJR山手線や西部新宿線の高田馬場駅である。車は新目白通りを高田馬場へ向かっていた。明治通りとの交差点を右折すれば、間...全文を読む

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第二部 第三十七章 迫る再戦

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

 「夜の渚にて、父と娘が東の空を眺めている。娘は父の手を強く握りしめ、全てを呑み込むように垂れ込める雲を見詰めながら泣いている」“On the beach at nightStands a child with her fatherWatching the east, the autumn sky.From the beach the child holding the hand of her father,Those burial clouds that lover victoriousSoon to devour all,Watching finally weeps” パラディン・エウミリーニョは、新幹線「のぞみ」...全文を読む

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第二部 第三十六章 パラディン、動く

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  ある高層ホテルの一室。大きく縁取られた窓の外に広がる東京の夜景は、よく使われる言い回しを用いれば、「宝石を散りばめたよう」だと表現出来るのだが、少なくともその部屋に滞在している者のイメージとはかけ離れたものがある。とは言っても、その者が宝飾の類いに無頓着と言うわけではない。むしろ大好きである。だが、その「好き」と言う部分には、高層階から臨める世界有数の夜景から感じられるような、一種の「品」と言う...全文を読む

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第二部 第三十五章 二人の女王

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  晴れた日。時刻はもう正午に近くなっている。若緑色の空には白い雲が点在し、肌に柔らかく風が当たる。 エリュシネ郊外。遠くに宮殿を眺めることの出来る低い丘の上を、一台の「馬」車がゆっくり走行している。華美な飾りこそされてはいないが、純白に黄金色の蔓草模様のあしらわれた車体は、貴族か王族関係者の乗るものであると、一目で判別出来るものであった。エクウス・ゲンティル五頭に牽引された車体は、丘の上に伸びる一...全文を読む

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第二部 第三十四章 リーガン・アブダイク 【21】 ソリタリー・シェル 【5】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

 「パパ!」 漆黒の軍勢から自身を守ってくれた父が、今再び目の前に立っている。「よく言った、リーガン。我が愛する娘よ」 父はリーガンのほうを振り向くことなく、その視線を「絶望」に留めたままであったが、その声色は聞き慣れた、優しげな父の声である。「この者を残せば、再び絶望に打ちひしがれる人達が増えるだろう」 父はゆっくりと言った。「お前と私が共に過ごした世界が消えた今であっても、この者に世界の、宇宙の...全文を読む

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第二部 第三十三章 リーガン・アブダイク 【20】 ソリタリー・シェル 【4】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  圧倒的な恐怖。 如何にもがこうとも決して乗り越えられぬ壁。 希望、努力、ありとあらゆる前向きな意志や行動を、むげに、頭ごなしに押さえ付ける猛烈な力。 全ての光を通さない、暴力的なまでの闇。 リーガンとエマーソンは身を震わせた。 目の前にいる「絶望」と名乗る黒色の存在は、これまでに出会ったどのペインキラーとも異なるものを感じさせる。強大な力か、圧迫感か、恐怖か、不安か、いや、どれも当てはまり、そし...全文を読む

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第二部 第三十二章 リーガン・アブダイク 【19】 ソリタリー・シェル 【3】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

 「君はもう十分にやった。そろそろ全ての枷から解き放たれてもいいんじゃないか? 今の僕にはそれが出来るんだ、リーガン」 かつて夫であった者の姿をした漆黒の異物は、暗闇の中にぼうと光る姿を呈したまま再び、上げた右腕をそのままに、ゆっくりとリーガンのほうへと歩み寄り始めた。「貴方にどう言われようと構わない。私は……私はジョシュアの母親よ……そして私は息子を愛している!」 屈み気味の姿勢でリーガンは叫んだ。「...全文を読む

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第二部 第三十一章 リーガン・アブダイク 【18】 ソリタリー・シェル 【2】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

 「Kiss your little tiny dick before you jerk off, you sleazoid pimp……」 おおよそ女性が口にするとは思えないほどの罵倒の言葉を浴びせ掛けられたエマーソンは、目の前で含み笑いを始めた元婚約者の姿にそっくりの異物を見据えていた。「シャナン……畜生、ふざけやがって!」 今、エマーソンを見つめる赤き対の光点は、闇の中に無数に浮かび上がっている。「こいつら……全部?」 エマーソンは絶句した。闇の中で蠢く気配を感...全文を読む

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第二部 第三十章 リーガン・アブダイク 【17】 ソリタリー・シェル 【1】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  無茶と言われれば、確かに無茶な話である。何も分からない、全く情報も何もない、いや命の危険があると言うことしか分からぬ場所へ、下調べもなく飛び込んでいくのは、無茶でなければ無謀と言い換えられようか。だが、リーガンやエマーソンもそれを十分に了承していた。それ故にもなお、そうせざるを得なかった。 二人は今、酷く揺れる高速艇「ウェリタス」の中で必死に震動を堪えていた。機体の各所がひしゃげ、破壊され、爆発...全文を読む

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第二部 第二十九章 リーガン・アブダイク 【16】 悲しみと絶望の深淵へ

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  人が自然より生まれ出でし生き物であれば、自然を汚染している、人の出した化学物質や廃棄物、その他様々な物も自然の産物と言うことになるのかもしれない。だとすれば、人が抱く善意や悪意、様々な感情も自然の産物と言うことになるのではなかろうか。決して不自然なものと言うことにはなり得ないのではなかろうか。  では、善意と悪意の違いは何か。人が生み出し自然物であるこの両者の違いは何であろうか。達さんとする目的...全文を読む

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第二部 第二十八章 リーガン・アブダイク 【15】 唯一の対抗手段

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  リーガンは再び謁見の間にいた。目の前にはベネウォレンチアとユベリウスがいる。 「あの黒き存在は……もしやもすれば、そなたの言葉を聞きたかったのかも知れぬな。そなたの真っ正面から向かってくる態度を、そなたの『受け止める』という行為を……あれは望み求めていたのかもしれぬ。だからこそ、その場で仕留められたであろうに、敢えてそれをしなかった」  ベネウォレンチアのゆっくりした、穏やかな口調は変わらなかった。 ...全文を読む

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第二部 第二十七章 リーガン・アブダイク 【14】 「悔恨」

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

 「見ましたか、ユベリウス。リーガンの胸から湧き上がりだしていた、あの光を」 リーガンとエマーソンが外した後で、ベネウォレンチアは玉座に腰掛けたままゆっくりとした口調で言った。「ええ」 それに合わせたように、ユベリウスも少しの間を空けて返す。「ですが、あの男のほうには……」「そうであるな」 リーガンに見られた光は、エマーソンからは窺い見ることが出来なかったのだ。「されど、あの男が我々にとって脅威となる...全文を読む

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第二部 第二十六章 リーガン・アブダイク 【13】 ベネウォレンチアとの謁見

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  お前にはもう見えている筈だ。今まで見えていなかったもの。そして見ようとしなかったもの。目を伏せ、正面から向かうことを避けてきたもの。 虐げられている者が、他の者を虐げる。 傷付けられた者が、また誰かを傷付ける。  分かってくれと叫びつつ、だが互いの存在を否定し合う。 憎しみの連鎖。悲しみの呪縛。 悲鳴が木霊している。 遣り場無き思い。他者を食い物にして、それは拡大し、目に見えぬ敵を作り上げる。己...全文を読む

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第二部 第二十五章 リーガン・アブダイク 【12】 接触

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  町の中を抜ける道には、人の姿は一つもなかった。どの家も、商店も、固く扉を閉ざし、その合間を乾いた風が音を立てて吹き抜けている。路面を土埃の煙が舞い上がる程度しか、動くものは見えない。  町の郊外にある飛空挺の離着場には、打って変わって大勢の人でごった返していた。皆、各々大きな荷物を抱え、または子の手を取り、集団になってその場の周囲に群がっている。喚く声、泣き声、様々な、おおよそ穏やかではない声が...全文を読む

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第二部 第二十四章 リーガン・アブダイク 【11】 Love is what love makes.

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  家の中は賑わっている。息子ジョシュアの学校の友人達や、仲の良い付き合いをしている近所の家族、親戚。これだけの人数が集まることはそうそうない。リーガンと友人のメラニーは台所を走り回っている。ドイツ系移民の子孫に当たるメラニーは、リーガン宅の隣に住んでいる友人で、今回はジョシュアのためにヒンベーアシュニッテ(Himbeerschnitte)を焼いている。これはラズベリーの焼き込まれたケーキで、シュニッテとは天板で...全文を読む

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第二部 第二十三章 新たな出立

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  アルバトロスに戻ったグランシュは、ペイトンに事の次第を告げ、紫雲と共に東京へ向かうことを話した。それに併せ、ペイトン達が打ち出したプローブが送ってきた情報によって、トルソらしき人物の所在反応を、ここから東へ五〇〇ミル離れた地点で探知出来たことをグランシュは知った。だが、この世界にて徘徊する無数の微弱なエネルギーが、プローブからの信号にジャミングを掛けた状態になっているとペイトンは報告した。「成仏...全文を読む

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第二部 第二十二章 ペンローズ・ステアーズ

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  暑さも寒さも感じない。風が頬に当たって流れていくのは感じられるのだが、その風が乾いているのか、湿り気を帯びているのかさえも分からない。歩けば、その地面の感触は感じられる。勾配を上り下りする時に掛かる足への負担も感じられる。だが、やはりこれまで住み慣れた世界と比べると、何かしら感覚的に欠けたものがあり、それは気持ちを落ち着かせない。妙な違和感が付きまとう。  いや、それも仕方ないのかもしれない。本...全文を読む

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第二部 第二十一章 使者

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.12 (Sat)

  ある者は椅子の背にしがみ付き、またある者は床の上を丸太棒の如く転がっている。床に這いつくばって体が流されそうになるのを必死に堪えつつ、その体勢のままで滑っていく者もあれば、椅子に座りベルトを締め、体が振り回される度に、ジェットコースターに乗る客のような悲鳴を上げる者もいる。  グランシュとペイトンは、お互いに異なる椅子の背にしっかと掴まり、機体の揺れに合わせて体の重心を移動させていた。ブリッジ内...全文を読む

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第二部 第二十章 七海の危機 【後編】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

 「あの娘……付き合っている男がいるにもかかわらず、あの須藤という男にも淡い恋心らしきものを抱いている。何とも不自然で不安定で……いかにも不恰好なことです」 言いようのない不快さと、不安と、怖れにも似た心のざわめきが、今七海の胸の内を駆け巡っている。苦しい。ここから逃げ出したい。何なのだろうか、この嫌な感じは。嫌で、逃げ出したくて、目を伏せたい、この不快感は何だ? そして、箔座の声をして心に直接語り掛け...全文を読む

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第二部 第十九章 七海の危機 【中編】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

  三浦と七海が二人で研究室に入ってきたことに、箔座松太郎は特に関心を示すわけでもないような視線を二人に送った。「丸山君は分かるけど、三浦君はまだ早いよ。君を呼んだのは四時だ」 三浦は「ああ」と相槌を打った。「すいません、たまたまこいつ……いや、丸山と会ったもんで」「ついでに、ってこと?」 箔座が下のほうから視線だけで見上げるようにして三浦を見る。「あ、私が誘っちゃったんです。一緒に行こうって」「ふむ...全文を読む

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第二部 第十八章 七海の危機 【前編】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

  蒸し暑いのだけは我慢出来ない。 他にも我慢ならないことは、この国にはごまんとある。醤油臭いという話は耳にしていたが、特に日本人の体臭が何かしらの発酵食品のような匂いがすると言うわけではない。ただ、街中に流れるこの匂いが醤油臭いと言うのであろう。鼻腔を細い針先でちくちくとするような、妙な匂い。アメリカ人は好きらしいが、テリヤキと言うものも自分には納得出来ない。あんなもののどこがいいのだ。育ってきた...全文を読む

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第二部 第十七章 奇襲

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

  窓の外に曇天の空に覆われた市街地が見える。新宿の街並み。先日の「畏怖」との交戦を迎えた夜も、目の前に広がる世界にとっては、日常の中に突如潜り込んだ非日常ではあったが、それも綿々と続く毎日という題名の厚き本の一頁でしか過ぎない。ページはめくられ、その後が終わりなく綴られていく。 だがあの夜の傷跡はそこかしこに残っている。JR新宿駅周辺には、あちらこちらに立入禁止の黄色いテープが張られている、またはオ...全文を読む

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第二部 第十六章 グランシュ

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

 「前方座標上、敵影なし」「セクトルH(ハー)内に空間歪曲の形跡あり……ですが微弱になりつつあります」「〇七五、二二六、一八一。歪曲点空間座標、計測完了。〇七五、二二六、一八一」 見渡す限り広がる空は陽も沈み始めたことにより、一面がターコイズグリーンに染められている。白い雲は翠色がかったチャコール色へと、見た目の姿を変えていた。その中を光沢ある黒色の高速航行機体が一直線に進んでいる。後方に周囲の雲と同...全文を読む

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第二部 第十五章 リーガン・アブダイク 【10】 世界の終焉、そして 【後編】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

  夜の暗闇の広がる空に浮く雲を尻目にしつつ、F15は轟音を立てて東海岸方面へと飛び続けていた。リーガンとエマーソンの二人は、自分達が移動してきた後方の方角で何が起きているのか、視認したくもなかった。ひたすらバイザー越しに前を薮睨みしている。 F15の飛行してきたコース上では、二人の搭乗する機体を追い掛けるように、二色の毒々しいまでの鮮やかな二色の色が迫ってきている。 雲の混じる、むらのある夜空の闇の黒色...全文を読む

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第二部 第十四章 リーガン・アブダイク 【9】 世界の終焉、そして 【前編】

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.11 (Fri)

 「俺のやるべきことは……終わった」  ギャレスはそう言うとゆらりと力無く立ち上がった。 「伝えるべきことは伝えた。こ、これで終わり」  ギャレスは片足で椅子を蹴った。椅子は乾いた音を立てて床に倒れた。 「俺には何の意味も無いことさ。あんたらのま、ま、前に、姉が、アマンダが現れたって言っても、おおお俺には関係無い」  そう言って、リーガンとエマーソンを流すように一瞥し、奥へと歩き始めた。 「アマンダが……死ん...全文を読む

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第二部 第十三章 リーガン・アブダイク 【8】 アルファ

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.10 (Thu)

  妙なものである。  仕方のないことではあるが、それでも状況を鑑みれば、それは全く以って妙に映る。  約一二〇〇年以上も前。中国の唐の時代に四つの発明が成された。  紙、羅針盤、印刷技術、そして火薬である。そのうちの火薬はモンゴル帝国にて兵器として使用された。火薬弾として使用されていた火器は次第に銃として進化を遂げ、それはやがて欧州へと伝播していくことになる。  そして千年以上の年月を経て、火薬はそれ...全文を読む

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第二部 第十二章 リーガン・アブダイク 【7】 LAへ

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.10 (Thu)

  複座式のF15「イーグル」は現在、アパラチア山脈を越えている最中であった。だがそこに広がる光景は絶句するに値するものであった。  全ての森が消えてしまっている。  地表全てが黒色のタールのような物質に覆われているかのようにも映る。 「何てこと……」  リーガンは思わず声に出した。 「全ての木が、植物が、ああやって腐ってどす黒い液体になっちまってるんだ」  リーガンの前で陣取るエマーソンが答えた。 「ヘドロみ...全文を読む

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第二部 第十一章 リーガン・アブダイク 【6】 メッセージ

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.09 (Wed)

 「何だって? 発信先は何処からだ?」  エマーソンは声を上げた。 「生存者がいたのか?」  一瞬、室内が色めき立った。 「ええ……このメールは……」  一人の女性がiPadのようなものを指しつつ、小声で呟いた。 「そんなものがまだ使えたなんて信じられない」  女性の横にいた銀髪の男性が、着ているシャツの襟元を開きながら、同様に小声で呟く。  彼等は軍関係者ではない、一般市民の生存者である。彼等からリーガンのような...全文を読む

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第二部 第十章 リーガン・アブダイク 【5】 「たとえ明日地球が滅びるとも、今日自分は林檎の木を植える」

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.09 (Wed)

  地上での交信が途絶状態となり、何処で如何なる部隊や集団が生存しているのか、皆目把握する手段がなくなったこの時。どの土地へ行っても、生存者はおろか、生き物や植物でさえ見掛けなくなっていた。衛星回線を通じて、世界各地の緑地帯が枯死、または腐敗、消滅し、地上での酸素の供給源がなくなってしまったことを掴んでいたので、リーガン・アブダイクやフリッツ・エマーソンのいる地下シェルターにおいては、主に水を電気分...全文を読む

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第二部 第九章 リーガン・アブダイク 【4】 エマーソン

リフレクト・ワールド(The Reflected World)

2013.01.09 (Wed)

  荒廃。 無機質。  鬼哭啾啾として不気味な雰囲気が辺り一面に漂う。全ては突然のことであったように思われる。だが、それは徐々に忍び寄っていたと言うことに、漫然と日々を過ごしてきた我々が気付かなかっただけなのだろう。 人の抱く様々な負の思念。感情を持ち、心を持ち、そのことで生き長らえている人類。それは至って自然のことであり、何ら疑問視することもない。その必要もない。あるがままの姿。喜びもあれば哀しみ...全文を読む

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